「長唄とは」
〜徒然なるままに〜


  『長唄』には日本人のDNAをゆすぶる、不思議な魅力を感じます。

 遠い祖先から受け継いだこの美意識が凝縮された世界、

 『江戸長唄』にどうぞこのHPを通して気楽に触れてみてください。(喜代八談)



                


○ 「長唄」のご案内

本来、長唄という名称は、関西地方が本家であります。

寛永時代(1624〜1643)江戸猿若座創立以来、歌舞伎演劇と共に発達した劇場音楽は「江戸長唄」と称し、
元禄時代(1688〜1703)頃よりいつしか庶民大衆に密着しました。

文化・文政(1804〜1829)より天保時代(1842〜1880)にかけての黄金時代を迎え、
明治以降からは趣味のよい演奏曲として独自の発展を遂げ、現在も日本の伝統芸能、家庭音楽として普及しております。

積年の洗練された技法は、いきと粋(すい)の中に上品さを秘め、優美な美しさと力強い逞しさを漂わせます。
自然で健康的な発声法は、精神的ストレスの解消にも好影響を及ぼし、健康を増進させ、日常生活に楽しみと潤いをもたらします。



○ 「三味線」のご案内

三味線は源流をペルシャ(イラン)地方に発し、シルクロードを経て唐に伝わり、
琉球の蛇皮線と変じ、現在の日本楽器となりました。
様々な試行錯誤の後、無駄を省きすっきりと美しい日本の音となりました。




● これから長唄を聴きたい、始めたい方へ ● 

ある大手の新聞記者が、私のカルチャ−教室に来て申しました。

「海外赴任した際、現地の人が自国の民族楽器を奏でながら、独自の文化を私に披露してくれました。
そして、「日本ではどんな伝統音楽がありますか?何かやってみてください」と言われたのですが、
そこで私ははたと赤面しました。何もできず、また知識もないのです。だから三味線を習いに来ました」と。

これからグローバリゼーションは益々進みます。
その中で、日本人のアイデンティティとは何か、また文化的バックボーンとは何かを知るために、
伝統文化に触れてみることはとても意義のあることと思います。
海外に行ったときに「さくらさくら」くらいでも、三味線ですっと弾けたらかっこいいじゃありませんか。

長唄は日本人の心に、すっと染みる魅力があります。遠い祖先から受け継いだ伝統、民族の流れと思います。
はじめは歌詞が難しくて判らない、と思うかもしれませんが、大丈夫、不思議と魂に染みてくるものです。
また、歴史を学んだり、古典文学に親しむことで、その世界をより深く味わえるのではないかと思います。

日本人の精神が凝縮された美の世界である長唄に、どうぞ気楽に触れてみてください。
私も、あまり長唄に触れたことのない方々に「本物」との幸福な出会いの場を少しでも多く作っていけたら、と考えています。

  
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